「セイロン紅茶」と呼ばれ、世界中で親しまれているスリランカの紅茶。
でも、一口にセイロン紅茶といっても、風味は産地によって驚くほど様々。不思議に思った新人編集部員が、スリランカへと飛び立ちました!
本当に同じ島!?
今回スリランカへ向かったのは、入社間もない新人おたより編集部員。バイヤーの買い付けに同行し、セイロン紅茶の魅力を探ることにしました。
スリランカはインド洋に浮かぶ熱帯の島。北海道よりひと回り小さな面積ですが、特筆すべきは、その標高差の大きさです。
旧首都コロンボを出発し、低地の紅茶産地、ルフナを回って、スリランカで最も標高の高い産地、ヌワラエリヤまでは車で約18時間の旅。立っているだけで汗が首をつたうほどだったルフナでの蒸し暑さは、なだらかな山に囲まれた盆地、キャンディを抜けたあたりでカラッとした暑さに変化。ヌワラエリヤに向け、さらに山道を上っていくと、肌寒いくらいに冷涼な風が吹き抜けます。
その気温変化の激しさたるや、とても同じ島とは思えないほど。驚く私に、「この標高による気候の違いこそが、茶葉の風味を決めるポイントなんだ」とバイヤー。なるほど、だからスリランカの紅茶産地は、標高ごとに610m未満のローグロウン、610〜1220m未満のミディアムグロウン、1220m以上のハイグロウンと分かれていたのですね!
一つの島が包み込む複雑な地形と多様な気候が、個性豊かな紅茶の源――。セイロン紅茶の魅力を紐解くカギは、まさにここにありました。