「いずみ」の高貴なみずみずしさを満喫
クローバーの花が咲き乱れる草原に吹くそよ風のような、爽やかな青みと心地よい香気が印象的。希少品種「いずみ」ならではの、優美な味わいの和紅茶。
【品種について】
「いずみ」は昭和8年(1933年)に日本茶の輸出促進の目的で開発、育成された品種で、「べにほまれ」の自然実生からの選抜です。
第二次世界大戦により茶の研究開発はいったん中断したものの、戦後に再開されると釜炒り茶に向くと評価され、1960年に品種登録、「いずみ」と命名されました。
主に北アフリカ向けに出荷されていた釜炒り茶でしたが、戦後日本の経済発展の反面、輸出需要は落ち込んでいき、「いずみ」は品種登録されたもののほとんど栽培されることがなく、半ば忘れられた品種となっていました。
「いずみ」には日本茶の品種には珍しい甘い香りがあり、その香りに魅了された吉田茶園・吉田正浩氏が自身の茶園で苗木を栽培し、10年の歳月をかけて復活させました。
親品種である「べにほまれ」が紅茶品種であることから、「いずみ」もまた紅茶に向くのではないかと考え、数々の製茶技術の見直しを繰り返しながら、「いずみ」の魅力を存分に発揮した薫り高い紅茶を誕生させました。
美しい黄金色の水色(カップの中の色み)、繊細さと力強さ、上品な甘みと花香を兼ね備えた個性的な味わいは、まさに今味わうべき話題の逸品です。
【猿島(さしま)について】
茨城・猿島地域は、関東地方のほぼ中央、茨城県古河市・坂東市・常総市の3市と八千代町・境町の2町からなるお茶の産地です。
利根川流域の肥沃な大地と、寒暖差のある厳しい気候条件により育まれた猿島のお茶は、濃厚な味と香りが特徴で、江戸時代には、関東地方から信濃までの広範囲で銘茶として親しまれていた歴史的産地です。
猿島茶は横浜港開港後、日本で初めてアメリカに輸出されたお茶としても知られています。
【吉田茶園について】
吉田茶園は、創業1839年、茨城県古河市で180年以上続く老舗茶園。
園主・吉田正浩氏は6代目に当たります。
「ほくめい」や「はるみどり」、「いずみ」など複数品種を栽培、肥料や農薬をできるだけ使用せず、自然と健康に配慮した茶の栽培と、高品質なお茶作りを行っています。
中国・鳳凰単叢やインド・ダージリンの製法を取り込んだ吉田茶園独自の製法で、香り高く華やかな紅茶を作ることで知られ、特に「いずみ」の和紅茶は、国内外の様々なコンテストで高く評価され、多くの賞を受賞しています。
【お茶について・吉田さんからのメッセージ】
今回販売するお茶は、葉が柔らかな春の早い時期に作られた「いずみ」と、葉の厚みが増し、味わいに力強さが生まれた「いずみ」のベストブレンドです。
ブレンドすることにより、微妙に違う味わいの波が重なり合い、トップノートからアフターノートまで立体的な香味が楽しめるお茶に仕上げました。
柑橘を思わせる爽やかな味わい、長く続く甘い香りの余韻は、飲む度に新しい発見があります。
中国茶好きな方にもぜひお試しいただければと思います。蓋碗での多煎浸出もおすすめです。